「開高が書斎で愛用した日用品の数々。哲人の虚具とし、昼も夜も離さなかった パイプや、コレクションしていたオイルライターなど。また、酒庫に遺されていた愛用の酒々も展示。
哲人の夜の虚具、パイプ
パイプは書斎にひとりきりで…いわば夜の虚具である。シガレットは昼の実具である。…本を一冊書き上げるたびに記念としてパイプを一本買うという習慣にした。

七日間ごとの宝物、ウイークパイプ
女房が香港へ中国料理の勉強にでかけたときにダンヒル支店で発見し…けなげ、みごと、あっぱれな買物であった。…惚れぼれと吐息をつくしかなかった。
ダンヒルのオイルライター
いつ頃からか、何となくダンヒルのコレクションを心掛けるようになった
…傷だらけの使い古したのを入手して家に持って帰ると、ほのぼのとした充 足感をおぼえて、イッパイやらずにはいられない。

酒庫に遺されていたワイン
パリで買ったシケモクの手巻器
昔のコツを思い出しつつタバコを巻いていると、歳月の薄明かりが消えて、おびただしい声と、顔と、光が次々と蘇り、茫然となってしまった。

愛用のメガネ
懐中時計
悠々とかまえ、やおらポケットから懐中時計をとりだして蓋をパチンと開いて、ヤツらの時間感覚に一つの句読点をうってやるのである。
聖書・百人一首・言海
旅の夜の白想を遠ざける。「旧約聖書」はいつのころからかとおもいだせないぐらいの年月にわたって持ち歩いている。















