会期:2008年12月5日~2009年9月27日

丸みを帯びた楷書体の文字の一文字一文字が、原稿用紙のマス目を埋めている。どっしりとしていて迷いがみられない。直しもほとんどみられない。不必要な句読点や改行もない。作家・開高健の原稿は美しい。恐らく、推敲に推敲を重ね、熟考ののちに文字にするからなのであろうか。文字にされた言葉のひとつひとつに作家の息遣いが生々しく感じられ、原稿からは書籍とは別の世界を垣間見ることができる。
1989年12月9日逝去、享年58歳。没後20年を迎えて、遺された原稿から折々の開高健を偲ぶ。
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直筆原稿版『夏の闇』
小説家・開高健が心血を注いだ代表作を、408枚の直筆生原稿そのまま、原稿用紙の質感に迫る原寸大で再現。精緻で圧倒的な小説世界が、作家の筆遣い、息遣いとともに直に伝わってくる特別愛蔵版です。担当編集者による解説、編集者マグナカルタ(直筆)なども同梱。 原寸大・函入・部数限定 |