開高健記念会

記念文庫からのお知らせ

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『開高健のパリ』(集英社)9月5日発売。ユトリロとパリ、旅を語るエッセー再編集版。

The Year 〈2019没後30年・2020生誕90年〉の今年、開高健著作本の刊行は活況を呈しています。9月5日に『開高健のパリ』(集英社)が発売されるのを機に、開高健The Year の刊行情報と紹介をまとめてお知らせ致します。

★新刊★

『開高健のパリ』(集英社)9月5日発売・A5判、本文128頁、2000円+税)

開高健の小説、エッセイの文庫本化が相次ぐ中で、これは異色の再編集もの。気軽に読める美術論であり、パリ滞在記、パリ案内記でもあり、また開高文学の底流にある旅哲学のエッセイ集でもある。

本書全体の構成は『現代美術15 ユトリロ』(みすず書房、1961年)掲載の開高健による主文「モーリス・ユトリロ」を冒頭に、25枚のユトリロの絵をカラーの美麗印刷で全編に散らし、それぞれの絵には開高の切れ味鋭くも、ユトリロへの愛がこもった解説が付いている。

最も長い再録は「ごぞんじのようにパリには いたるところに広場がある。」(「声の狩人」1962年初出)で、植民地アルジェリアの独立を支援するフランスでの反右翼闘争の生々しい報告記。ベトナム体験前の若い感性は、パリ市民の闘争を肌身で熱く体験した。このときの滞在では大江健三郎と共にサルトルに会見している。このほか〈パリ断章〉として6編のエッセイを配し、開高健のパリと旅への愛と衝動が生き生きと伝わってくる。

これらの収録作品の発表後に生まれた世代の作家・角田光代さんによる解説は、開高の文体、異国体験、作品の変容を自在に論じて新鮮。

「若きの日に旅をせずば、老いての日に何を語る」という本書の結びの一節に、心を動かされる読者も多いに違いない。

★近く刊行される文庫本★

『珠玉』文藝春秋 2019.9.

 

★過去1年の既刊文庫本★

『破れた繭 耳の物語1』岩波書店 2019.4.16

『夜と陽炎 耳の物語2』岩波書店 2019.5.16

『開高健短篇選』岩波書店 20119.1.16

『青い月曜日』集英社 2018.11.25

『開高健ベスト・エッセイ』筑摩書房 2018.5.10

『葡萄酒色の夜明け(続開高健ベスト・エッセイ)』筑摩書房 2019.4.10