開高健記念会

記念文庫からのお知らせ

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開高健記念文庫から──獄中で読む開高健

昭和30年から40年代「死刑囚の歌人」として知られた島秋人は、獄中から罪深さ、悔い、いのちの切なさ、幼児期に亡くなった母への思慕を歌って多くの人の心を打ちながら、33歳で処刑されました。その死後に刊行された歌集『遺愛集』(東京美術刊 1974)が、このほど開高健記念文庫に寄贈されました。

「あとがき」にこうあります。私が短歌を始めた事のなりゆきは、拘置所の図書で開高健著『裸の王様』を読んでのことだった。絵を描くことによって暗い孤独感の強い少年の心が少しずつひらかれてゆく。当時の私の心を打った読後感とともに、絵を描きたい、童心を覚ましたいという思いを強くさせられた、と。

このとき死刑囚は26歳。そうした絵への思いが発端となって歌人・島秋人の誕生につながった経緯がこのあとがきからうかがえます。自分の小説がそのように読まれていたことを著者・開高が知っていたかどうか、それは定かではありません。(N・H)──下の写真は開高作品の外国語版・記念文庫所蔵

カテゴリ:記念文庫からのお知らせ 2018-01-23